今日、同じ部屋になったのは彩牙と蓮飛であった。
この二人、妙に仲が良かったりする。
「ふあぁぁ…。眠…」
椅子に座っていた彩牙が大きく欠伸をする。
同じく椅子に座っていた蓮飛が、調合の手を止め彩牙の方を恨めしそうに見る。
「オイ…彩牙、人が集中してるトコへ間抜けな声出すなっつの」
「しょーがないじゃん…眠いもんは眠いし…んーっ。」
「眠ぃならさっさと寝ろ。……んん?」
思いっきり伸びをした彩牙をじっと見つめる蓮飛。
その目線は微妙に顔を外れていたので彩牙は何事かと動揺する。
「なっ、何だよ蓮飛」
「ちょい失敬。」
背凭れを上手く使い椅子を倒して、相手を床に寝転がせる。
「うわわっ、わぁっ!れ、蓮飛、何すんだよ!?」
「面白い鬱血の跡を発見したから観察。つーわけで大人しく剥がれろ。」
「はぁっ!?ちょ、ちょい待…うわぁっ!」
蓮飛は彩牙の上に馬乗りになると、鼻歌でも歌いそうな調子で順調に服を剥いでいく。
こういった事は江にしかされた事しかない上、相手は明らかに華奢そうな蓮飛だ。
乱暴に扱うわけもいかずただ手をバタバタとさせている。
「騒ぐなっつの。何も取って食いやしねーって。江じゃあるまいし…うわー、すげーぞ。この跡の数。」
露になった上半身に無数についている紅い痕をつつっ、と指で辿られて
思わずビクッと身体が跳ねる。
「みっ、見るなって」
「へー…この真新しさから見て昨日もヤったな。」
「っ…!」
言われて真っ赤になった彩牙の反応を見て、愉快そうにニヤニヤ笑う蓮飛。
「はーい、図星〜。」
「うっ、煩い!…蓮飛だって、その鎖骨ンとこのそうだろ!?」
「ん?あー…。あいつはココに付けたがるんだよな…ヤッてる時は結構イイけど?」
「…」
襟元の部分を寛げてわざわざ良く見えるようにしてから何でもない事のように言う蓮飛に、
思わず彩牙は絶句して口をパクパク開閉させる。
「そーいや、江に跡ついてんの見た事ねーな…たまにゃ付けてやれば?」
「んなっ!?…そんな事言ったら龍景にだって見たことない。」
「あいつ、詰め襟じゃん。見えないけどたまにつけてやってるぜ。…すげー喜ぶし。」
江とはまた違った艶を持つ笑みを浮かべてさらりと言う蓮飛に、勝てないと思う彩牙だった…。
隣室では、こっそり二人の会話を聞いていた二人も。
「ふふ、なかなか面白い会話をしているようだよ、二人とも。(楽しげににっこり)」
「…蓮飛さん…そういうコトを…(真っ赤)」
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