「ほむらいろ」



「なぁ、知ってるか?」


青い炎は、紅い炎より熱いんだ。


「知っている。だからどうした」

「アンタみたいだな、って」


くすくすとチェシャ猫のように笑む彼に、俺はわずかに染まった頬を隠すため咳払いをした。


「じゃあ、これは知ってるか?青い炎をさらに熱すると、白い線香花火みたいな光が現われるんだ」

「!」


さらり、と。
雪のように真っ白な彼の髪を撫ぜる。
少し見開いたその瞳に満足を覚えて、なんとなく唇をその色素の薄い睫毛に落とす。


「お前みたいだろう?」


先程の彼を真似て笑んでみれば。


「そりゃどーも!」


実に愉しそうに彼は笑った。





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by穂高 2009/06/02